予防接種の基本的な考え方

当院では、年齢や基礎疾患に応じた予防接種を実施しています。目的は感染症そのものを防ぐことだけでなく、発症した場合の重症化、肺炎、入院、持病の悪化を防ぐことです。

特に高齢の方、気管支喘息、COPD、心不全、糖尿病、慢性腎臓病、肝疾患などの慢性疾患をお持ちの方は、感染症が全身状態悪化のきっかけになることがあります。日頃の慢性疾患管理とあわせて、時期を見極めて予防接種を受けることが、こうした悪化を防ぐことにつながります。

成人・高齢者の予防接種

対応しているワクチンと、主な対象・目的は次のとおりです。

ワクチン主な対象目的
インフルエンザ高齢の方、心不全・COPD・気管支喘息・糖尿病・慢性腎臓病などの基礎疾患がある方発症や重症化の予防
肺炎球菌高齢の方、慢性疾患をお持ちの方肺炎球菌による肺炎・侵襲性感染症の予防
新型コロナ高齢の方、慢性疾患をお持ちの方重症化の予防
帯状疱疹加齢や免疫力の低下により発症リスクが高まる方帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の予防
RSウイルス高齢の方、COPD・気管支喘息・心不全など呼吸器・循環器疾患をお持ちの方下気道感染・重症化の予防

インフルエンザワクチン

毎年、流行が始まる前に接種することで、発症や重症化の予防が期待されます。高齢の方や、心不全、COPD、気管支喘息、糖尿病、慢性腎臓病などの基礎疾患をお持ちの方は、感染をきっかけに肺炎や持病の悪化を起こすことがあるため、毎年の接種をお願いしています。流行期は予約が集中しやすいため、接種をご希望の際はお早めにお問い合わせください。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌による肺炎や、菌が血液・髄液に及ぶ侵襲性感染症を予防するためのワクチンです。高齢の方や慢性疾患をお持ちの方は肺炎が重症化しやすいため、接種を検討する対象になります。過去に接種歴がある場合は、ワクチンの種類や接種間隔を確認したうえでご案内します。

新型コロナワクチン

重症化予防を目的に、年齢、基礎疾患、流行状況、自治体の方針を踏まえて接種を検討します。高齢の方や慢性疾患をお持ちの方は、感染をきっかけに肺炎、心不全、糖尿病の悪化、体力低下を来すことがあるため、時期に応じてご案内しています。

帯状疱疹ワクチン

水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる帯状疱疹と、帯状疱疹後神経痛の予防を目的とするワクチンです。帯状疱疹は加齢や免疫力の低下に伴って発症しやすくなり、発疹が治った後も強い痛みが長引くことがあります。対象年齢や公費助成の有無を確認したうえで接種を検討します。

RSウイルスワクチン

RSウイルス感染症による下気道感染や重症化を予防する目的で使用します。高齢の方や、COPD、気管支喘息、心不全など呼吸器・循環器疾患をお持ちの方は、感染をきっかけに咳、喘鳴、呼吸困難、肺炎、持病の悪化を起こすことがあります。年齢、基礎疾患、接種適応を確認したうえでご相談に応じます。

慢性疾患をお持ちの方の予防接種

慢性疾患をお持ちの方は、感染症にかかることで持病そのものが悪化することがあります。疾患ごとに起こりうる悪化のきっかけは次のとおりです。

疾患感染症をきっかけに起こりうること
COPD・気管支喘息かぜやインフルエンザ、RSウイルス感染などをきっかけに咳や息切れが悪化し、急性増悪を起こすことがある
心不全感染症をきっかけに体液バランスが崩れ、息切れやむくみが悪化することがある
糖尿病感染症により血糖値が上昇しやすく、脱水や全身状態悪化につながることがある
慢性腎臓病感染症、脱水、食事摂取低下をきっかけに腎機能が悪化することがある

こうしたリスクを減らすため、基礎疾患の状態を確認しながら、インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナ、帯状疱疹、RSウイルスなどのワクチン接種を検討します。内科・循環器科での慢性疾患管理とあわせてご相談いただけます。

小児の定期予防接種

当院では、小児の定期予防接種にも対応しています。

BCGワクチン、ロタウイルスワクチンは、当院では実施しておりません。あらかじめご了承ください。

当院で実施している主な小児定期接種は次のとおりです。

接種できる年齢、回数、接種間隔はワクチンごとに異なるため、母子健康手帳を確認しながらスケジュールを調整します。小児の予防接種では、接種歴の確認が非常に重要です。受診の際は、母子健康手帳、予診票、マイナ保険証(または資格確認書)、医療証を必ずご持参ください。

発熱、急性疾患、強いアレルギー歴、過去のワクチン接種後の副反応がある場合は、事前にご相談ください。

妊婦さんのRSウイルスワクチン

当院では、妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチンにも対応しています。母体で作られた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行することで、生後早期の乳児におけるRSウイルスによる下気道疾患を予防することを目的としています。

接種時期は妊娠週数によって定められているため、妊娠週数、出産予定日、妊娠経過を確認したうえで接種を行います。産科主治医からの案内や妊娠経過に関する情報がある場合は、受診時にご持参ください。妊娠中のワクチン接種は、安全性、接種時期、体調を確認しながら慎重に進めます。

接種前に確認すること

予防接種を安全に行うため、受診から接種までは次の流れで確認します。

予約時にお伝えいただくこと

ワクチンの種類によっては事前予約が必要です。公費助成を利用して接種を希望される場合は、お住まいの市区町村、年齢、希望するワクチン、接種歴をお知らせください。

当日ご持参いただくもの

本人確認書類、予診票、接種券、自治体から届いた案内、母子健康手帳(小児の場合)、お薬手帳など、必要な書類をご持参ください。書類が不足していると、助成制度を利用できないことがあります。

予診で確認すること

体温、体調、アレルギー歴、過去の副反応、現在の内服薬、基礎疾患、妊娠の有無、過去の接種歴を確認します。発熱している場合や急性疾患にかかっている場合、過去に同じワクチンで強いアレルギー反応を起こしたことがある場合などは、接種を延期または中止することがあります。

複数ワクチンをご希望の場合

同時接種の可否、接種間隔、接種順序を確認したうえでご案内します。

在庫状況や公費助成の対象は時期や自治体により異なるため、接種を希望される方は事前にお問い合わせください。

接種後の注意点

接種後は、注射部位の痛み、腫れ、赤み、発熱、倦怠感などがみられることがあります。多くは数日以内に改善します。接種当日は、激しい運動や過度の飲酒を避け、体調の変化に注意してください。入浴は可能なことが多いですが、接種部位を強くこすらないようにしてください。

強いアレルギー症状、息苦しさ、全身のじんましん、顔色不良、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、速やかに医療機関へご相談ください。

予防接種の助成制度と料金

予防接種の助成制度は、お住まいの自治体、年齢、基礎疾患、過去の接種歴、接種するワクチンの種類によって異なります。対象者、自己負担額、予診票の有無、接種できる医療機関、事前申請や償還払いの必要性も、自治体ごとに異なる場合があります。

当院は国分寺市にあります。国分寺市にお住まいの方は、国分寺市の助成制度に基づいて接種を行います。小平市、小金井市、国立市、府中市、立川市など近隣市にお住まいの方も、ワクチンの種類や自治体の制度によっては、当院で助成を利用して接種できる場合があります。一方で、ワクチンによっては指定医療機関が限られる場合や、接種前に自治体への申請が必要な場合があり、任意接種では自治体ごとに助成の有無や助成額が異なることもあります。

助成制度を利用して接種を希望される方は、予約時にお住まいの市区町村、年齢、希望するワクチン、接種歴をお知らせください。制度の内容は年度ごとに変更されることがあるため、最新の対象者、接種期間、自己負担額、指定医療機関、申請方法は、お住まいの自治体の案内をご確認いただくか、予約時に当院へお問い合わせください。

自費(自己負担)でご案内する主なワクチンの料金(税込)の一例は次のとおりです。公費助成の対象となる場合は、助成分を差し引いた自己負担額でご案内します。

ワクチン種商品名料金(税込)
肺炎球菌キャップバックス13,000円
肺炎球菌プレべナー11,000円
小児用肺炎球菌-12,000円
おたふく-5,000円
水痘水痘ワクチン9,000円
帯状疱疹シングリックス(1回目)22,000円
帯状疱疹シングリックス(2回目)22,000円
2種混合ジフテリア、破傷風6,000円
麻疹・風疹-8,000円
日本脳炎-9,000円
A型肝炎エイムゲン9,000円
B型肝炎ビームゲン5,500円
破傷風-4,000円
4種混合ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ11,000円
髄膜炎メナクトラ25,000円
3種混合ジフテリア、百日咳、破傷風9,000円
RSウイルスアブリスボ(妊婦用)30,000円
RSウイルスアレックスビー(60才以上)25,000円
HPVワクチンシルガード29,000円

シングリックスは、他院で1回目を接種した場合、当院での2回目は1回目の価格でご案内します。

よくあるご質問

Q
予防接種はすべて予約が必要ですか。
A

ワクチンの種類によって事前予約の要否が異なります。在庫を確保して用意するワクチンもあるため、ご希望のワクチンが決まっている場合は予約時にお伝えください。

Q
複数のワクチンを同時に接種できますか。
A

同時接種の可否はワクチンの組み合わせによって異なります。ご希望のワクチンをお伺いしたうえで、同時接種の可否、接種間隔、接種順序を確認してご案内します。

Q
BCGワクチンやロタウイルスワクチンは受けられますか。
A

当院ではBCGワクチンとロタウイルスワクチンの実施を行っておりません。それ以外の小児定期予防接種には対応しています。

Q
帯状疱疹ワクチンにはどのような種類がありますか。
A

帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあり、効果の持続期間や副反応の出方に違いがあります。診察の中で特徴をご説明したうえでご案内します。

Q
費用はどのくらいかかりますか。
A

ワクチンの種類、対象年齢、お住まいの自治体の公費助成の有無によって自己負担額が変わります。予約時にご希望のワクチンとお住まいの市区町村をお知らせいただければ、対象条件を確認してご案内します。

Q
妊娠中でも予防接種は受けられますか。
A

妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチンにご案内しています。接種時期は妊娠週数によって定められているため、妊娠週数や妊娠経過を確認したうえで実施します。

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予防接種についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。